メンテナンスチームは冬の間に何をしているのか?

2023年12月1日付記事

ジョージ・ウォーターズ(George Waters、USGAグリーンセクション教育担当シニアマネージャー)

冬場に入り寒さでゴルファーがゴルフから遠ざかっていても、ゴルフコースのメンテナンスチームは冬の間にもやるべき仕事に追われています。

ゴルファーは、メンテナンスチームは冬の間は何をしているのだろうと不思議に思うことがあると思います。(米国の場合、特に北部地域では)ゴルファーがほとんどプレーをしません。芝も成長を止めて伸びていないとしたら、彼らは何をしているのだろう? その答えは「仕事はたくさんある!」です。ゴルフコースのメンテナンスの世界では、常にたくさんの仕事があり、それをすべてこなすのに十分な時間がありません。ここでは、冬の間、グリーンキーパーとそのチームスタッフを忙しくさせる重要な事柄をいくつか紹介しましょう。

●コース状態のチェック

ゴルフのオフシーズンに入ったとはいえ、ゴルフコースに定期的な手入れが必要ないわけではありません。メンテナンスチームは、冬の間、コース設備の破損やゴミ処理、安全上の問題がないか、定期的にコースをチェックします。また、芝を傷める可能性のある天候に備える必要もあります。凍結と融解が繰り返されるこの期間、メンテナンススタッフは結氷を取り除いたり、雪解け水を流す排水溝を作ったりして、冬傷害のリスクを減らすことに努めています。パッティンググリーンを覆う寒冷紗と呼ばれるカバーも、強風が吹いてグリーンから外れないようにメンテナンスする必要がある場合もあります。コーススタッフが冬の間、ゴルフコースに目を光らせておくことが、皆さんが待ちわびる翌春のゴルフプレーを素晴らしいものにするのです。

●樹木管理

実は、冬は樹木の管理には理想的な時期です。なぜなら、ゴルファーがコースにいるときに想定される安全上の懸念やプレーの遅れを気にすることなく作業を進めることができるからです。しっかりと凍った地面は、ゴルフコース周辺での樹木作業に必要な重機の運搬にも最適なコンディションです。日常的な剪定作業であれ、大規模な樹木の撤去であれ、冬はメンテナンスチームや樹木業者が効率的に作業でき、翌春にゴルフが再開される前にすべての木材や残骸を片付けることができます。

●管理機械のメンテナンス

ゴルフコースのメンテナンスチームは、芝刈機やトラクター、その他の作業車など、多くの機器に頼って作業を行っています。シーズン中は、設備のメンテナンスは通常、これらの機械を駆使し、作業が可能な状態に維持し、発生する故障に対処することに重点が置かれます。冬は、修理や整備点検を実施し、管理機械をシーズン中無事に稼働できるよう必要な応急処置的な解決策を見つけるのに理想的な時期です。長いシーズンを乗り切った車両を調整するのには数カ月かかることもあります。

●コース整備作業の評価と立案

ゴルフコースのメンテナンス作業を成功させるには、膨大な量の管理計画とその準備は欠かせません。シーズンが本格化すると、日々の作業に追われることになり、事後的な対策に追われることも珍しくありません。そして冬季を迎えるとともに通常のメンテナンスが一段落するわけですが、チームはこの1年にコース管理がどうだったかを評価し、どうすればコースがさらに良くなるかを考えることに時間を費やすことができます。

●休養を取る!

グリーンキーパーとそのチームスタッフが冬の間にできる最も重要なことは、休養をとることかもしれません。シーズン中は、彼らは長時間働き、絶え間なく発生する問題や課題に対処しています。冬の季節の到来は、メンテナンスチームの家族や友人と過ごす時間を増やし、シーズン中に後回しにしてきたさまざまな問題に対処するチャンスを与えてくれる時期でもあるわけです。ゴルフコースのメンテナンスは、従業員の定着率や燃え尽き症候群に悩む職業であるため、長い1年のコース整備の後にチームが自身を充電する時間を確保することができるシーズンでもあるわけです。

 

Reprinted with permission of USGA Green Section