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123th U.S. OPENロサンゼルス・カントリークラブ(LACC)直前情報 バーミューダグラスに埋もれる

2023年06月02日

USGAチャンピオンシップ アグロノミー シニアディレクター ダリン・ベバード(Darin Bevard)氏

今年の全米オープンのラフは、例年ほど深くないかもしれませんが、バーミューダグラスが形成する茎の密なマットのおかげで、非常にチャレンジングなものになるでしょう

 

ゴルフ界で「全米オープンのラフ」という言葉がよく出てくるのには理由があります。ゴルフファンは、2022年にブルックライン(ザ・カントリークラブ)で見たような、全米オープンのプレー中に5、6インチの高さのラフを見ることに慣れています。深いラフは全米オープンにおけるチャレンジの重要な要素とされることが多く、ケンタッキーブルーグラス、ペレニアルライグラス、ターフタイプのトールフェスクなどの寒地型芝草で構成されたラフは、この刈高でも非常に難しいとはいえ、プレー可能であることは確かです。しかし、第123回全米オープンのロサンゼルス・カントリークラブ(LACC)では、バーミューダグラスが主要なラフとなる予定です。バーミューダグラスのラフを寒地型芝草と同じような刈高で維持することは、日常的なプレーではもちろん、全米オープンにおいてもプレーは不可能とみなされるかもしれません。そのため、今年の「全米オープンのラフ」の高さが低く設定されても驚かないし、簡単すぎるという心配もありません!

バーミューダグラスのラフが全米オープンに採用されるのは、2005年のパインハーストNo.2以来です。2014年に全米オープンがパインハーストに戻ったときには、ラフがまったくなかったことを覚えていますか! バーミューダグラスは温暖な気候で最高のパフォーマンスを発揮し、クールシーズンのものと比べて水をあまり必要としません。そのため、南カリフォルニアなど、水資源が限られ、気温が穏やかな地域のラフやフェアウェイによく使われています。しかし、バーミューダグラスのラフでは、一般に、同じようなチャレンジ精神を発揮するためには刈高を寒地型芝草より低くする必要があります。

バーミューダグラスのラフは、芝生の下に茎が入り組んでいて、ライがそれほど悪くなくても、難しいプレーコンディションになる

 

バーミューダグラスのラフは、横方向に伸びる茎や葉がたくさんあり、それが織りなしてマットを作っているからです。ゴルファーの目には緑の葉のキャノピーが映り、プレーしやすいように見えるかもしれませんが、そのすぐ下には硬く複雑に編み込まれた茎があり、クラブヘッドに抵抗を与えない「ブレード」主体のクールシーズン(寒地型芝草)のラフと比べると、はるかに大きな抵抗を感じます。LACCのラフの高さは、過去の全米オープンの高いラフと同様の難しさを提供するために、3インチ半から4インチに制限されるかもしれません。

同じ原則が、毎日のプレーのためにゴルフコースで維持されているバーミューダグラスのラフにも適用されます。一般的には1.4インチから2インチでカットされたラフは、平均的なゴルファーにとって良いチャレンジとなるでしょう。ラフの寒地型芝草は、水やその他の資源がなければ、このような低い高さに維持することは難しく、そしてミスショットに対するペナルティもあまりありません。

LACCで開催される第123回全米オープンでは、刈高3インチ(7.62㎝)や4インチ(10.16㎝)のバーミューダグラスのラフが登場します。トップアスリートたちは「全米オープンのラフ」を体験し、多くのボールがバーミューダグラスに埋もれてしまうかもしれませんが、ご安心ください!

出典:https://www.usga.org/content/usga/home-page/course-care/green-section-record/61/issue-10/buried-in-bermudagrass.html# Reprinted with permission of USGA Green Section