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ハンディキャップインデックスはこんな分布

― あなたのHDCPについてもっと知りませんか ―

今回は日本のゴルフの話です。

公益財団法人日本ゴルフ協会(JGA)が普及を進めているワールドハンディキャップ(WHS)について紹介します。すでにハンディキャップ(HDCPインデックス)をお持ちの皆様には、なんで今更と思われるかもしれませんが、もう少し身近に感じていただこうと、海外、特に米国のHDCP事情も紹介して、HDCPについてもっと知っていただこうという話です。

HDCP証明書

日本でHDCPを取得されているゴルファーの人数は約53万人です。申請をされている人を含めた今年6月時点での最新の人数は70万人を超えています。3月に発表されたスポーツ庁の調査から推測される日本のゴルフ人口は約600万人ですからすでにインデックスを取得されている人が全体の約9%になります。ほぼ10人に1人がHDCPを持っています。

JGAからいただいていた2023年2月時点でのデータによると、HDCPインデックス取得者の9割が男性です。ゴルフ人口の男女比と似ていますから、こんなものでしょう。

HDCP別取得者数

さて、HDCPといえば+ハンディから54まであるわけですが、どんな人数分布をしているかご存じですか? インデックスの分布をグラフにしました。どうでしょう、予想通りだったでしょうか?

HDCP取得人数がもっとも多かったのは10台です。次いで多いのが20台でシングルの方が次に多いという分布になっています。+インデックスの方は、3,359人いらっしゃいます。

ゴルフ俱楽部の会員になる大きな理由の一つがHDCPの取得でした。現在もそうだと思いますが、R&AやUSGAがWHSの普及浸透に力を入れていることもあり、世界中でHDCP取得が進んでいるようです。ところで、世界のゴルフ界の統治という点では、USGAは米国とメキシコをテリトリーとして、R&Aはそれ以外の国と地域を管轄しています。日本はR&Aの管轄下ということになりますが、USGAはインデックス取得者数などのデータを広く開示していますから、日本とUSGAのHDCP事情をまとめました。

USGAの最新のデータでは、インデックスを持っている人は2022年で302万6,528人です。ずいぶんと多い。でも米国のゴルフ人口だけでも、米国ゴルフ財団(NGF)の調査ではゴルフコース人口は2510万人(2021年、6歳以上)ですから、人口比で見るとHDCP取得者は12%です。日本よりは高い取得率ですが、そんなものでしょうと納得される数字だと思います。下のグラフのように年々インデックスを持っているゴルファーは増えています。もちろん、日本も毎年増えていますから、申請者全員がインデックスを取得すれば一挙に20万人近く増えることになっています。

USGA・HDCP取得者数(男女)

 

USGAでは男女別でのインデックスの分布をグラフにしています。次のグラフがUSGAの発表しているインデックスの分布グラフです。

USGA・HDCP分布図

一目でお分かりになると思いますが、米国では男女でインデックスに大きな差がみられます。インデックスの平均は、男性が14.1、女性は28.0です。前年との比較ではあまり変化はなく横ばいで推移しているとのことです。ま、そうですよね、そんなに簡単にゴルフは上手にはなれません。

 

日本はどうでしょう。JGAのデータで2021年にいただいていたインデックス1ごとのデータを、私の方で簡易的に平均を出しましたが、

JGA・HDCP分布図

日本は男性が16.7で女性は19.9でした。男性は米国の方が、少しだけインデックスが低くて、女性は日本の女性の方が腕は確か(?)ということのようです。でも、この種の数値は、高いと普及が進んでいないという説明にも使われます。その意味では、日本での女性ゴルファーの普及に期待したいですね。

さてさて、インデックスのグラフを見てニンマリされたた人、真ん中あたりか、ウ~ン、もっとラウンドしないと、練習場に行かないと、プロのアドバイスが欲しい、いろいろ思われるかもしれません。楽しければ好いのよ、それが一番だと思います。

ところで、日本ではデータがないのですが、USGAでは9ホールで申請をしてインデックスを取られた人数がまとめられています。

USGAによると、2020年に女性がスコアを投稿した全ラウンドの25.1%が9ホールのラウンドだったそうです。そして2022年には27.6%に増えています。これって女性がゴルフの回数を増やしたことになりますよね。日本でも9ホールのプレーが増えれば、女性がゴルフをもっと身近なスポーツとしてくれるかもしれません。

そして、新しくハンディキャップを取得したゴルファーのインデックスの平均値は男性が15.6、女性は31.7で、いずれも全ゴルファーの平均インデックスより高かったそうです。新規のゴルファーが増えるとインデックスなどの腕前を示す指標の平均値は下がるというマーケットで普通に見られる現象です。実はこれはゴルフの普及が進んでいるという証でもあるわけです。ゴルフの普及が進みゴルフ人口は増えれば、普通は+インデックスの人も増えているはずですから、インデックスの低下は心配ありません、安心してください!ということになります。

ところで、プロを対象にしたHDCPインデックスが2021年に発表されていました。2016年から2020年までトーナメントの成績を対象にしたもので、これによると松山英樹プロはベストインデックスが+7.7です。平均インデックスのトップはダスティン・ジョンソンで+6.5。松山プロは平均インデックスでは8番目でした。21年のマスターズ制覇もなるべくしてなった、といえるのかもしれません。

喜田任紀

※ハンディキャップに関する詳しい情報は:

JGAハンディキャップホームページ:http://www.jga.or.jp/jga/jsp/handicap/news.html

USGA HDCP:https://www.usga.org/content/usga/home-page/handicapping.html