捨てられたティーの問題点

Ross Niewola(USGA西部地域担当農学者)

CAP 折れたり捨てられたりしたゴルフティーは、一見無害に思えるかもしれませんが、見た目を損なうだけでなく、芝刈機に損傷を与える可能性があります

ゴルフ場では通常、ティーマーカーのそばに小さな箱や容器が設置されており、プレーヤーが折れたティーを捨てられるようになっています。それにもかかわらず、地面に刺さったままのティーや、ティーイングエリアに折れたティーの破片が散らばっているのを目にすることは珍しくありません。これは「コースではよくあること」に見える光景で、些細な問題と捉えられがちですが、コースを管理する側からすれば、こうした残骸はコース管理において深刻な問題を引き起こす可能性があります。

ゴルファーが気持ちよくティショットを打てるように、毎朝ティーグラウンドの芝生は、鋭く研磨された刃を備え、適切に整備された芝刈機によって刈り込まれています。この刈り込みひとつで芝の健康やプレー条件に影響が及ぶため、コース管理の重要な作業の一つです。さらに日照条件なども芝の生育に影響しますが、ティーグラウンドはしばしば0.5インチ未満という低い刈高で維持されるため、芝刈機は非常に精密に調整されており、小さな異物によっても容易にその設定が乱されやすくなります。

ゴルフティーは通常、木やプラスチックで作られていますが、素材にかかわらず、丁寧に研がれ調整されたティーグラウンド用芝刈機にとっては異物となります。芝刈ユニットが折れたり捨てられたりしたティーを巻き込むと、硬い素材を噛み砕くことで刃の切れ味が鈍り、刈り込み品質の低下につながります。本来であれば鮮やかで滑らかな刈り口になるはずの芝が引き裂かれた状態となり、芝の健康を損なうだけでなく、病気の発生リスクを高め、芝生表面の品質低下を招きます。

ティーの破片はまた、芝刈機の調整にも影響を与える可能性があります。芝刈ユニットは1000分の1インチ単位という極めて微細な範囲で調整されているため、折れたティーが刃の間を通過すると、その設定がずれてしまうことがあります。その結果、整備担当者が再調整するまで、芝刈機の刈り込み品質は低下した状態が続きます。ティー上にある小さなゴミに見えるものが、実際には機械的な問題につながるのです。

折れて散らばったティーは見た目が悪いだけでなく、コースコンディションを整える日々の作業の妨げにもなります。ティーグラウンドに残されたティーが多いほど、作業に必要な労力と時間は増加します。プレーヤーが折れたティーを拾わない場合、混雑した一日の後にティーイングエリアを清掃するのに、予想以上の時間がかかることもあります。

プレーしているコースに折れたティー用の容器がある場合は、ぜひそれを利用してください。もしすぐに使える容器がない場合は、ゴミ箱を探すか、適切に処分できる場所が見つかるまでポケットやゴルフカートに入れておくことができます。どうしても難しい場合でも、(推奨される方法ではありませんが)ティーイングエリアに残すよりはラフに投げる方が影響は小さくなります。ラフ用の芝刈機は、このような異物の影響を受けにくいためです。ティーの破片を片付けることは、管理機械を守り、整備スタッフの作業効率を高め、芝の品質を維持することにつながります。これはコースを楽しむすべての人に利益をもたらす、ゴルファーが守るべき基本的なマナーといえるでしょう。

コース管理の現場から(GCSAA)

こうした問題はUSGAの指摘にとどまらず、現場のコース管理者の間でも広く認識されています。米国のグリーンキーパー団体であるGolf Course Superintendents Association of America(GCSAA)をはじめとする業界では、ティーの破片に限らず、いわゆる「デブリ(異物)」が管理機械や作業効率に与える影響について注意喚起がなされています。

極めて精密に調整された芝刈機の刃や刈り込みユニットは、わずかな異物によっても刃の摩耗や調整のズレを引き起こす可能性があります。そのため、作業前の清掃や異物の除去は、スタッフの安全確保だけでなく、機械性能と刈り込み品質を維持するうえでも重要な工程と位置付けられています。

このように、ティーの破片のような一見些細なものでも、日々の管理作業においては無視できない要素となります。プレーヤーが残した小さな異物が、機械のコンディションや作業効率に影響を及ぼすという点で、コース管理者は継続的に注意を呼びかけています。